西洋占星術はどのように扱われてきたか(1)

占星術そのものも面白いけど

占星術そのものも興味深いが、それに対する人々の反応というのもまた面白い。占星術の歴史は長いが、その間に社会の占星術に対する見方はいろいろ変わってきた。今回は占星術を社会がどう見てきたか調べてみたい。

占星術は自然な発想

占星術の歴史は本当に長い。星の様子を見て占いをすることを占星術というのなら、占星術は既に紀元前2000年の古代メソポタミアで行われている。占星術が生まれるについては、天の星が地上の出来事に影響を与えることが前提になっているが、これは古代人には当たり前に思えたはずだ。
潮の満ち引きに月が関係しているのは日々観察すればわかるし、日照時間が長くなる春と夏には草木が茂るが、そうでない秋から冬にかけては草木は枯れていく。
ギリシャ神話では春に花が咲くのは地上にペルセポネがかえってくるからだ。素敵な話ではあるが、古代人たちもそんなわけじゃないのは分かっていただろう。

占星術には二つの考え方がある

占星術には、ある人の性質や運命はホロスコープを見ればわかるとする判断占星術と星の影響をもとに自然現象を予測して医学などに役立てようとする自然占星術があった。つまり、あなたのホロスコープを作るとこうですから、このお薬を飲むと病気が治りますよ、というわけだ。現代人からすると違和感いっぱいだが、古代どころか中世やルネサンスのヨーロッパでも広く受け入れられていた。現在見かける占星術は基本的に運勢占いで、完全に判断占星術ということになる。我々現代人はこの判断占星術を面白がったり心のよりどころにしたりするわけだが、ヨーロッパの歴史を見るとそんなことは気安くできない時代もあり、しかも案外それは長い。前近代人の占星術に対するまなざしは現代のように能天気なものではなかったわけだ。(次回に続く)

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